おそらく今後日本でも、小規模で濃密サービスを売り物にする商売が繁盛してくるに違いないでしょう。
お客さんはそうしたものをますます求める傾向にあるのです。
例えば田園都市線たまプラーザ駅前商店街にある、ある靴屋さんは30平方メートルほどの狭いお店ですが、パーソナルタッチの個客対応を売りものにしています。
このお店は10年前に開いた靴屋さんで、オーナーはお客さんの顔を1人ひとり思い浮かべながら、「これはあの人に似合うんではないか」という思い入れをもってクツを仕入れているそうです。
だから店に並んでいるクツは「これは絶対にいい」と彼女自身が確信のもてる商品ばかり。
女性客が多いですが、お客さんの方も自分のために選んでくれた品だと思うから値引きなど求める人はまずいないのです。
「このお店なら安心、またいい品が入ったら教えてね」といって固定客になるのです。
ダンスシューズを求めにきたお客さんには、「修理のときのために教えていただけますか」と言って名前と住所を聞くそうです。
こうして作った顧客リストは現在1000人ほどになるそうです。
そうした顧客に年に3回、ダイレクトメールで案内状を送ります。
オーナーはこう語っています。
「いま、クツは大型店との競争もあって大変です。小さな店をやっていくには、自分の個性を前面に出していくしかありません。
自分の信念をお客さまに訴えていくのが1番だと思います。
それに共感を抱いて下さるお客さんにエンジョイ・ショッピングをしていただく、それが私の生き甲斐で
す」
クツのほかにも色どりを添えたいと、数年前からスリランカ大使館に頼んでセイロン紅茶の直輸入販売も始めました。
クツの売り場のほんの一角を当てて紅茶と陶器類が並べられ、ギフト用にと紅茶を求めにくるお客さんも多いのです。
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